こーぺんです。
今回は、米国株の資本財セクターについて解説します。
資本財セクターはS&P500に7番目に多く含まれるセクターです。(2021年3月時点)
米国株投資を始めるにあたり、興味がある人も多いと思います。
本記事では、こんな疑問に答えます。
資本財セクターとは
資本財セクターでは資本財の製造・販売、商業・輸送サービスを扱っています。
主に航空、宇宙、防衛、機械、鉄道、建設、重機、海洋などの業界です。
米国株の資本財セクターについて、以下の内容を紹介します。
資本財セクターについて、基礎知識をまとめました。
- 概要
- ETF
- S&P500とのパフォーマンス比較
- 騰落率
概要
資本財は英語では「Industrial」となります。
工業を中心とした業界で、一般の人が日常生活で関係することは少ないでしょう。
有名企業を挙げると、ボーイングなどがあります。
資本財セクターの基本的な特徴は下記です。
- 好景気に強い
- 直近10年のパフォーマンスはS&P500に劣る
- 下落耐性は並み
- ETFならVIS
- 配当は普通
ETF:VIS
米国株資本財セクターのETFはVISになります。
構成銘柄のTOP10は下記になります。(※2021年3月時点)
構成銘柄 | 構成比率 % |
ハネウェルインターナショナル |
3.87 |
ユニオン・パシフィック |
3.79 |
キャタピラー |
3.20 |
ボーイング |
3.10 |
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) |
3.08 |
ゼネラル・エレクトリック(GE) |
3.00 |
レイセオン・テクノロジーズ |
2.98 |
ディア |
2.84 |
3M |
2.75 |
ロッキード・マーチン |
2.27 |
合計 | 30.9 |
※引用:VIS 銘柄 – バンガード米国資本財サービスETF 投資信託(ファンド)情報 – Bloomberg Markets
1位はハネウェルインターナショナルです。ハネウェルインターナショナルはアメリカ航空宇宙局、ボーイング、アメリカ国防総省に技術サービスやアビオニクスを提供している会社です。TOP10で全体の3割以上を占めています。
経費率は0.1%と低水準になっています。
S&P500に劣るパフォーマンス
資本財セクターはS&P500と比較して、近年のパフォーマンスは悪いです。
期間ごとのリターンは次のようになっています。
(※配当込み、再投資なしS&P500はVOOを想定)

※引用VIS – Vanguard Industrials ETF | Vanguard
仮に10年前に100万円投資した場合、S&P500は351万円になる一方でVISは304万円になります。
値動きについて、見やすいようにチャートを載せておきます。




チャートを眺めると、直近では昨年の7月以降パフォーマンスをあげています。
また長期で見るとS&P500と同等または少し劣るパフォーマンスになっています。
個人的にはVOOよりも優先して長期で保有するメリットはあまりないのではと感じています。
下落耐性は並み
資本財セクターの下落耐性は並みか少し悪い程度です。
表は近年の主な金融ショック時の騰落率を示したものです。

リーマンショックの騰落率はS&P500よりも良いですが、他2つでは劣っています。
ボラティリティもVOOよりも大きいセクターになるので、個人的には積極的に投資する対象ではないです。
好景気局面に強い
資本財セクターは好景気局面に強い銘柄です。
これは、好景気になると産業が活性化し、人やモノの流れが活発になるためです。
実際、2020年11月頃からの好景気局面ではS&P500を上回るパフォーマンスを発揮しています。ここしばらくは高いリターンが期待できそうです。
景気サイクルと各セクターの関係についてグラフにしてみました。

市場は常にこのサイクル通りに動くわけではありませんが、頭に入れておくと大局が見れます。
ポートフォリオのセクター比率を調整して、パフォーマンスを上げるアイデアにつながるかもしれません。
さいごに
今回の記事では、資本財セクターについて解説しました。資本財セクターの近年のパフォーマンスはS&P500よりも悪いです。ボラティリティも高いことから上級者向けの投資対象だと思います。セクター別ETF投資でご自身のポートフォリオを調整するアイデアになれば幸いです。それでは🐧
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